芭蕉のおくの細道 宿泊道程 ―角川文庫「おくのほそ道」より抜粋― |
元禄二年(1689年9) 3月10日 |
日光山の麓に泊まる。宿の主人は「仏五左衛門」という。芭蕉達は「私たちのような乞食僧をとめてくれるとはありがたい」と恩義を感じるが、主人のことを剛毅朴訥に近い人物と評し、正直な心を書きとめている。 |
4月上旬 | 那須野の農家泊。翌朝、芭蕉達は放し飼いの馬を無理に所望する。馬を借りる事は成功するが、「適当な場所についたら馬を返して欲しい」と念をおされ子供に馬を返すことになる。 |
4月?日 | 黒羽の「館代浄坊寺何かしの方」に泊 |
4月下旬 | 須賀川の等窮という人物のところに4〜5日泊。 |
4月下旬 | 福島に泊。 |
5月1日 | 飯塚泊 |
5月上旬 | 仙台泊。旅宿に4〜5日逗留する。画工の加右衛門という人物と知合い、方々を案内してもらう。 |
5月12日 | 石巻泊。賑やかな港町で生活に豊かさを感じるのだが、芭蕉達はことごとく宿泊を断られている。「暫くまどしき小家に一夜を明かし」迷いながら道を進んだ。そして平泉へと歩を進める |
5月?日 | 岩手の里に泊。そして問題の関所にさしかかり、関守にあやしめられ、その後三日間風雨にあって山中にとどまる。 |
5月?日 | 尾花沢の清風という者の家に泊まる。長旅の労をねぎらわれ、大いにもてなされる。 |
6月3日 | 羽黒山に登った後、南谷の別院に泊まる。 |
6月?日 | 酒田の渕庵不玉という医師の家に数日滞在する。 |
7月15日 | 金沢で大阪商人・何処という者と旅宿をともにする。 |
?月?日 | 山中で腹を病んだ曾良と別れる。曾良は伊勢国の長島に知人がある為そちらに身を寄せることになった。 |
?月?日 | 大聖寺の城外、全昌寺に泊。 |
8月中旬 | 福井では、等栽というかつての知人の家を訪ね、二泊する。 |
8月14日 | 敦賀の津に宿泊。二泊する。 |
8月16日 | 同地の法花寺に泊まる。その後、馬に乗って大垣に入り、伊勢にいた曾良と合流。9月6日に伊勢へ出発するまで、同家に逗留する。 |