「医食」ダイエット(T) |
目 次 間違いだらけの「痩せる法」 |
[肉は肥満を防ぐ]という間違い1.何故、ヨーロッパの乙女は、美しいのか ヨーロッパの若い女性は美しい。日本の女性の美しさも国際水準に達したかといわれるが、とてもタチウチできない。スラットのびた脚、豊で形のよいバスト、しなやかにくびれたウエスト、長く伸ばしたままパーマ気のないつややかな髪、陶器のようになめらかな美肌、化粧をしないのに素晴らしいメリハリのある顔・・・・。日本女性が美容整形しようが、メーキャップに凝ろうが、とても及ばないほど美しい。 2.肉食への適応の限界肥満をはじめとして、老いの酷さがすさまじいのは、人間の肉食への適応には限界があることを物語っている。とくに女性の老化ぶりが著しいのは、穀菜食動物である人間の中でも、とくに女性は炭水化物性の生き物であって、肉食とは、本来肌があわないはずのもの。したがって、女性にとっての肉食は、男性におけるそれより、不自然食の性格がはるかに強められるのである。 とにかく、肉食をしていると、生理機能混乱の一兆候として、肥満があらわれやすくなる。肉食が肥満を防ぐなどということは、決してあり得ないのである。 3.患者は肉食者ばかり間違いだらけの「やせる法」の中でも、特に人を惑わすのが、「肉食は肥満を防ぐ」というものである。 現代栄養学の理論を拡大解釈した空論であって、肉食が現実に、どういう害をもたらしているかは分かっていなのだ。私どものクリニックを訪れる全国各地からの慢性病患者や肥満症に悩む人々の食生活を克明に調べてみると、肉食をしていない人はほとんどいない。「食肉の中の動物性蛋白は、われわれの体細胞の消耗を補うために必要である。肥満と結びつくのは動物性脂肪なのだ」といいたいのだろうが、実際問題として食肉を動物性蛋白と動物性脂肪に分けることは不可能なのであって、「これは完全な動物性蛋白だ」という肉の中にも、かなりの量の動物性脂肪が含まれている。 脂肪分の存在しない蛋白だけの肉ナンテものは、そもそもこの世の中に存在しないし、肥満児や肥満症の大人が例外なく肉食をしている事実をみれば、「肉食は肥満を防ぐ」とは、ミミズのタワゴトにしか過ぎないことがわかろう。
4.肉食国家が肉食廃止に踏み切った事情肉食が肥満食であることは、いまや世界中の人々が認めている事だ。それなのに、体蛋白の構成材料としてとらねばならないと考えているところに、現代栄養学の矛盾が生まれてきており、肉食しなければ生きていかれない風土で生活する肉食人種の悩みがあり、味覚が肉食になじんでしまった肉食者のジレンマが存在しているのである。 しかし、肉食は肥満を生み、同時に、いろいろな疾病を生じて、寿命を縮める。そればかりか、精神作用も狂わせ、ついには国家をも破綻に導く。まったくいいところなしの悪食なのだ。ところで、背に腹は変えられないというので、肉食国家が肉食廃止の大決断を行うようになった。 水銀問題がおこったのも、もとを正せば、肉食が肥満食であることに起因しているのである。アメリカでは、肥満を防ぐために、肉をやめて、代わりにマグロを食べることがはやりだした。日本制マグロの缶詰が大もてになったのである。その缶詰の中に、水銀がたくさん含まれていた・・・・・というのが、問題の発端になったわけだ。
5.亭主殺すにゃハモノはいらぬともかく、せっぱつまった状況に追い込まれている肉食国家であるだけに、その国の学者の中には、肉食亡国の警鐘を乱打している人もたくさんいる。ハーバード大学のジーンメーヤー教授もその一人。肉食が、肥満をはじめととした疾病の原因になる、いかに有害なものであるかを、『亭主の殺し方教えます』の中で述べている。 肉食によって肥満がおこるのは、人間においては少しも不思議な事ではない。至極当然のことなのである。肉類は、毒素を含んでいる以上に、消化の過程で、いろいろな有害産物をつくる。これらによって、生理機能が障害されるのだ。肉食が人体活動を混乱させるのは、人間が、もともと穀菜食動物だからだ。植物性の栄養成分を素材にして、自らの体蛋白を合成する能力をもっているので、肉食などする必要は、本来ないのである。生理機能にとっては、必要ないものは即有害なものになる。体に取り入れた以上、必ず何らかの代謝作用を受ける。不要なものがとりこまれれば、それだけ余計な代謝活動をしなければならないわけであり、必要な代謝がその分だけ欠如することになる。「毒にも薬にもならない」ということがよく言われるが、われわれの体内においては通用しないことである。厳密にいえば、薬にならないものは毒になっているのである。
6.早死にしたければ肉を食え肉の蛋白質は、そのままでは消化吸収できないので、いったん炭水化物に還元してから、改めて本来の消化作用を行う。この還元という作業は、本来ならやる必要の無いもの。それだけ余計な負担を胃腸にかけるわけだ。しかも、この還元のために、大切な酸素やミネラルなどを大量につぎ込まねばならない。 |